※メンバー敬称略させて頂いております
この大きな会場で、小さなライブハウスでライブをたった2人で回っていたあのストレイテナーがライブをすることを誰が想像をしていただろうか。
21ST ANNIVERSARY ROCK BANDと名付けられたこの20周年の集大成をファンも、本人たちも心待ちにしていた。
会場が暗転するとステージのスクリーンに昔の映像が映し出され、ファンからは歓声が上がった。懐かしい。まだドラムのシンペイが黒髪のロングヘアーで客席へダイブしていた頃。そこからベースのひなっち、ギターOJとまるで少年漫画やRPGゲームのように仲間を増やし活動してきたストレイテナー。
そして今日とゆう日まで彼らの音楽にたくさん支えられてきたファンが今日は集っている。それがファン同士にもひしひしと伝わる雰囲気の会場だった。
SEに合わせた手拍子の中メンバー4人がゆっくりと登場。
それぞれが定位置に付くと、ナカヤマシンペイが吠えた。
「幕張のバーサーカーに捧ぐ!」
会場が歓声とともに一斉に盛り上がる。ライブ屈指のパワーチューン「BERSERKER TUNE」からの始まり。まさにロックバンドとして我あり、と見せつけてくれた。
続いて「The World Record」では観客がホリエアツシに声を重ね大シンガロングして一体感も最高潮。
「Alternative Dancer」では「踊ろう 幕張の夜に」と粋に歌詞を変えて歌いあげた。
昔のような激しく尖ったストレイテナーは今は優しくファンの心と体を揺らしてくれる。
「聴こえてるか!?」そうホリエアツシは叫んだのはファンだけにでなく過去の自分達に言っているみたいに聞こえた。感慨深さにうっかり泣いてしまいそうになった。
Future Soundtrack(初回限定盤)(DVD付)
「今日の為にずっと色々考えて準備してきたんで、今日で今日が終わるっていうのが信じらない。・・・まだ全然終わってないけど(笑)今日が最後でもいいっていうぐらいの気持ちでやりたい。でも・・・明日になってすぐに「もっかいやりてえ!」ってなるくらい楽しいライブにしましょう。・・・俺たちストレイテナーっていいます。よろしくお願いします!」
ホリエアツシがそう幕張への熱い気持ちを語りながら最後はいつもの挨拶で、曲を再開。
「DAY TO DAY」でのびやかにホリエアツシは歌い上げ、ひなっちのベースの渦は勢いを増したのを感じた(実際、のちのMCで2人の緊張がこの曲で溶けたと語っていた)
去年リリースした新曲「タイムリープ」、ストレイテナーの4人の力を感じさせる名曲「Man-like Creatures」を演奏し、「Lightning」「Braver」では後ろのスクリーンを使いながら圧倒的な鍵盤弾き歌いを魅せてくれた。
そのままイントロのみ鍵盤弾き歌いからギターへと持ち変えるセルフカバーをした「SAD AND BEAUTIFUL WORLD」!このセルフカバーは本当にかっこいい。
「冬の太陽」でのシンガロングに続いての某ミュージック番組にも出演した「TRAIN」で会場の興奮は最高潮だった。
そこで突然メンバーがはけて、スクリーンにメンバーが西部劇風に演じた懐かしいVANISHのミュージックビデオが流れる。
なにが起こったのか一瞬わからなかったが、ステージ中央にスタッフ達が楽器のセッティングを始めた。この日、会場のアリーナレイアウトはA・Bとブロック分けされており、Aブロックが前方、Bブロックが後方となっていた。その為、Bブロックからはステージまでかなりの距離があった。が、その中央ステージはBブロックの真ん前に設置されており今までかなり距離のあったステージが突然近くなったことでBブロックは大興奮。
アコースティックではなくフルセットで移動して演奏するバンドは初めてみた。
ミュージックビデオを引き継ぐように「VANISH」を演奏して、360度観客に囲まれた初めての状態で緊張しながらMCをするメンバーだったが「まあこのステージ手品で言えば「あの帽子から鳩を出るんだろうな」ってぐらいバレバレだったよね(笑)」「このステージが土俵に似てない?」「え、相撲取る?」といつのまにかいつものゆるゆるとしたMCへとかわっていた。
音の響きなどやはり勝手が違うようで「やばい、音外しそう、ずれそう」と不安がるホリエアツシを「大丈夫、天才だから!」とひなっちが励ます姿が印象的だった。
ナカヤマシンペイが近日隣の幕張メッセで行われた某CDJに出たとき、「いやでも(今日のお客の数は)この半分くらいでしょ!?大丈夫大丈夫」と自分の不安を誤魔化していたと笑いを取り、ホリエアツシが「いやでも今日は、みんな味方だから」といって笑った。そう、今日は全員がストレイテナーを好きで7000人が集まった。
それがどんなにすごいことかはファンも4人もきっと感じた事だろう。
中央ステージで不安がっていたとは思えないくらいの圧倒的な歌唱と演奏で「瞬きをしない猫」「Killrer Tune」再アレンジを加えてある「DISCOGRAPHY」を披露。
最後には紙吹雪が空を舞う演出して4人はまた前方ステージへと戻っていった。
ステージへ戻った4人はゲストにまさかの秦基博を迎え、リリース時からの初の「灯り」「鱗」の生共演奏を披露。
鱗(うろこ)
暖かい雰囲気のまま秦のリクエストの新曲「boyfriend」そして「彩雲」「REMINDER」など人気曲で疾走してゆく。
「ツアーでさんざん昔を振り返ってきたので今日は未来の話をしようかなと思ったんですけど・・・未来のことは全然わかんないや(笑)俺たちは俺たちを裏切らない音楽を作って、ライブをやるだけで。一個だけ確かなことはこれから先もストレイテナーはずっとこの4人でやりたいと思います!その未来を今」。そんな言葉のあとに「The Future Is Now」
そのままでいいんだと「原色」を歌い上げ、ラストはお決まりのシンガロング「Melodic Storm」で本編の幕を閉じた。
アンコールではナカヤマシンペイが最近泣きそうにはなるがなかなか泣けない、という話から「泣ける映画」の話でMCは大盛り上がり。いつものMCのように話がどんどん膨らみ脱線していく中、最後にはジブリ映画の話痺れを切らした大山が「もうやろうよ」と促すことに(笑)
「From Noon Till Dawn」でライブを再開。ホリエは「今だったら言える みんな愛してるぞ」と歌詞を変えて歌い上げ、ファンを沸かせた。
「みんなの人生の中でいつかストレイテナーの音楽から離れる日がくるかもしれない。俺たちはずっと鳴らし続けてるから。いつでも戻ってきてほしいと思います。みんなのことを思って作った曲です。スパイラル。」
スクリーンで昨年行われたツアー中のロードムービーが流れる中新曲を披露。
最後は「まだまだ旅は続く」と言わんばかりに「ROCKSTEADY」
肩を組んで、いつものように最後の挨拶を終えた4人の顔はいつも以上に晴れ晴れとして見えた気がした。
これは終わりじゃなくて、これから続く旅にまだまだ我々もついていきたいと思わせてくれるライブだった
PAUSE ~STRAIGHTENER Tribute Album~(通常盤)
セットリスト
2. The World Record
3. Alternative Dancer
4. DAY TO DAY
5. タイムリープ
6. Man-like Creatures
7. Lightning
8. Braver
9. SAD AND BEAUTIFUL WORLD
10. 冬の太陽
11. TRAIN
12. VANISH
13. 瞬きをしない猫
14. KILLER TUNE
15. DISCOGRAPHY
16. 灯り with 秦 基博
17. 鱗 with 秦 基博
18. Boy Friend
19. 彩雲
20. REMINDER
21. The Future Is Now
22. 原色
23. Melodic Storm
24. シーグラス
[アンコール]
25. From Noon Till Dawn
26. 羊の群れは丘を登る
[ダブルアンコール]
27. スパイラル
28. ROCKSTEADY